➀ 水道ポンプ(運搬)

2024年元旦に起きた能登半島地震。私は急ぎ皆さんと器材を準備し2日早朝出発し午前9時半には珠洲市正院小学校に到着した。避難者を含め500名の方々が集まっていた。早速器材をおろし皆さんと一緒に炊き出し場作りを始めた。


② 水道ポンプ(直給水)

ライフラインは絶たれているのでまず水の確保。ここでの重要機器は水道ポンプ。学校の受水槽に残っている水を吸水しポリタンクに入れ炊き出し場に運ぶ。残念ながらこの器材備蓄の重要性を認識していない。


③ 水道ポンプ(吸管)・貯水タンク

ポンプにはFRP貯水槽・吸管・吐出蛇口などが付ていていろんな使い方ができる。給水車からポリタンクへそしてポリタンクから吸い込み流し台への給水ができる。写真には洗濯機が準備されている。


④ 流し台 

流し台がなくては保健所は炊き出しをすること自体許さない場合がある。

業務用900幅 湯水水栓が二個付いている。隣は熱交換器。これをカマドに投入して熱湯が作れる。


⑤ 炊き出し器

レイアウト

外側から、流し台・熱交換器・まかないくん85型・大なべ700型。

調理量85型は300食。今回は湯炊き炊飯。米を一度に15㎏炊くとおにぎり300個作れる。

20㎏の場合400個、避難総数は500であるので一人2個で1000個。米は50㎏だ。


⑥ 熱交換器

85型に熱交換器 湯の量は約100ℓこの湯を熱源にして通したパイプから湯が取れる。

調理用の湯 隣の700型に湯を足した。熱源はガスでも薪でも湯が作れる。


⑦ まかないくん85型で炊飯

ご飯は米の量が多いので湯炊き炊飯。比重の重い米は熱対流が難しい。先に湯を沸騰させ研いだ米を入れる。対流は木へらで強制的に攪拌し米を急速に膨張させる。米は研いですぐではなく十分時間をおいて水を吸わせておくとおいしく仕上がる。


⑧ 大なべ700型で副食(汁物)

これは大なべ700型 調理量は一椀320㏄で700杯である。弊社のが最初に作った釜がこれ。阪神大震災の教訓からである。大きな災害には大きなもので対応。バーナーは85型700型共被災地でも手に入れやすい灯油のバーナーである。


⑨ てあらいくんPetドレッサー

感染症対策にと開発した。てあらいくんPetドレッサー。水が貴重なために少量を汲んで顔を洗う。500名がすべて使う。右の清水タンクの水を足踏みポンプで上部へ。落差でシャワーになる。手前のゴミ箱の中には手を拭き終えたテッシュがその使った人々の大さを表す。


➉ 低体温症対策

124時間ぶりの救出。お年寄りが救出されたのは炊き出し場のすぐ隣の家。午後警察官が集まってきた。
それなら低体温症と!炊き出しチームは持参の5ℓビニール袋に湯を入れ届けた。もっとということで5袋ほど追加。翌日「体温が一定ラインまで回復し助かったと」 


⑪ 水道ポンプ+85型+熱交換器

ビニール袋はこの袋。低体温症にはこれと山岳ドクターの大城先生から教わっていたので津波対策と、多くの袋を持参した。熱交換器の蛇口から袋にそそぐ。警察の方にはこのように箱に入れて渡した。助かって本当に良かった。


⑫ 湯たんぽ と 5ℓビニール袋

ビニール袋はこの袋。低体温症にはこれと山岳ドクターの大城先生から教わっていたので津波対策と、多くの袋を持参した。熱交換器の蛇口から袋にそそぐ。警察の方にはこのように箱に入れて渡した。助かって本当に良かった。


⑬ 足元暖房

中島小学校。体育館に20人ほどだ段ボールベットで就寝。広い体育館にはい大きなストーブがいくつもあるがそれでも足元暖房は大いに感謝される。多分ストーブでは肝心の足元に熱は伝わらないのだろう。そういえば最初の被災地使用は17年前の能登半島地震門前西小学校であった。


⑭ ヒートパイプ

災害ボランティア。風組と一緒に設営。架橋ポリパイプに50℃の温水で足元を温める。一本の長さが50ⅿ。整然と別途を並べれば体育館一杯約200名は温めることができる。空気を汚さない。乾燥させない 省エネと何物資の少ないときでも力を発揮。


⑮ 熱源機 ボイラー

足元暖房は屋外にボイラーを置き50℃の不凍液を循環させる。設置は簡単。油の消費量は24時間で40ℓ位か?とにかく省エネ


⑯ 大なべ55型とセイロ

発災から1か月も経ているのにまだ炊き出しが必要。ここは奥能登。曾々木海岸近くの輪島市若桑地区 電気は来たが水道はまだだ。食料もままならない。最も家が潰れているので買い出しもできないので、毎週土日に炊き出しする。炊き出し者は東京のボランティア。新幹線で来る。


⑰ まかないくん30型

大なべ55型。調理量50ℓ。まかないくん30型。調理量28ℓ。

これで炊飯・煮物などの他、多種の野菜をセイロで蒸してビタミン・栄養豊富な食事を提供する。調理もバラエティーに富む


⑱ 調理人

出来上がった料理がこれだ。この他野菜たっぷりのコンソメスープが付き。

おまけに節分であったことから鬼退治の豆と退散後味わう福梅を添えた。


⑲ 輪島セントラルキッチン

輪島市内の被災料理店が力を合わせ炊き出しを行っている。食数1500食ここで「まかないくん」が使われていると聞いて見に行く。水作業が大変なので積んでいたポンプ・ボイラー・流し台をセットする。大変喜ばれた、調理は衛生が第一、それに効率も。


⑳ ポンプ・ボイラー・流し台

構成 ⑲の写真から ポンプその奥がボイラー・テントの中に流し台。

20ℓタンクがたくさんあってそれをポンプの受水槽に入れる。吸管もついているので将来。大きなタンクからの受水が可能。ボイラーは灯油焚き、ヘッダーが付いていてペアホースをカプラ接合。


㉑ 流し台は組立式

設置前は台の上に100ℓの貯水タンクが置いてあって落差で水を使用。今度は混合水栓が二個、水圧も高い。水量によって作業効率が上がる。左の水栓は左にある大きな水槽に使う。保健所では流し台がなければ炊き出しを許さない。湯も出て「これならお風呂も!」と声が弾む。


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