
札幌市北体育館で表題訓練を令和7年1月29日30日に行う。参加者道内の自治体他200名。冬場の宿泊訓練特に北海道では寒さ厳しく、暖房の対策を行わないと避難者の命の保証はできない。そこで自治体担当者がその寒さを体験し、その対策を考える機会とした。

防災総合訓練会場で関係各機関の展示が行われる。NHK・ソフトバンクなどの通信・リハビリ協会・薬剤師会などの健康・官公庁・ドローンの他、我々防災資機材の展示が行われた。出展社数20社。

機材の展示のほか、それを訓練にも使用された。➀ポーチでのカマドは足湯と湯たんぽへの給湯、朝食の湯煎過熱に。②競技室では足元暖房を。③トイレ前では手洗い器の使用がされた。

まかないくん85型、熱交換器、大なべ300型。全て灯油バーナー焚き。働きは足湯の湯の提供と湯たんぽ3ℓを100個の給湯。60℃を基準として温度計計測し給湯する。足元暖房を使用しないトレーニングデッキ宿泊用に提供。100個製作。熱量は60℃-水温5℃*100個=5500kcal

「災害に水なし」と言われる。それだけにポンプの役割は大きく。今回はポーチ床にある散水栓からポンプの受水槽へ。400Wインバーターポンプでまかないくん85型の熱交器へ送り,釜の湯で湯を沸かす。アメリカCDC避難所環境アセスメントに湯が使えることが要求されている。

流し台は衛生の観点から必需品 炊き出しする場合これがないと保健所が許さない。調理者の手洗いに始まり野菜・魚肉類の調理に、一般家庭でさえ必需品なのだから大量の調理場に置くのは当然。湯水の混合栓が二個ついている。今回足湯の湯の取り出しに使用。

てあらいくんPetドレッサー この名前は女性に優しい器材としての開発。また感染症対策として必需品。とかく避難所は避難者に無理強いをなさねばならぬが。やはり女性は身だしなみをきれいにしたい。看護大学の根本先生より是非鏡を付けてくれとの要望があり開発した。

避難者皆さんがすごく喜んだ。きれいな水、コップに半分だが口をすすぎ顔を洗った。水量が見え節約して使う。石鹸で手を洗いテッシュで手拭き その次はゴミ箱だ。今度試しに組立式のゴミ箱を置く。これが梱包箱に入るかはまだ確認してないが入れば完璧だ。

よく不思議がられる。電気もないのに。給水・排水もないのにと?。右に清水。手前に揚水ポンプ。水は上部のペットボトルに入り、落差でシャワーヘッドから広がり左の排水タンクに流れる。誰もが素晴らしいとおっしゃるので装備して頂きたいイッピン。

競技場の中に段ボールベット約90床を並べる。競技室は40ⅿ四方であるので最大250床が可能だ。今回足元暖房全5回路の内3回路を使用する。開発は30年前阪神大震災時に「避難所風邪」が流行り多くの人々が命を落とした。部屋の空気を汚さない・乾燥しない・音がしいない。

足元暖房のボイラー 発熱量15500kcalそう大きくない。丸い対流式ストーブ2.7台分だ。それでも運転はフルでなく約60%内外。灯油使用量も10ℓ程度。設定温度65℃ではヒートパイプ温度は45℃程度。不思議に燃料は食わない。それでも被災者の足元は確実に温められる。

ボイラースペースにはテントを掛けた。私も最初灯油のエアー抜きを思いつかず少々まごついた。スムースに動かすには絶えず訓練などで使うことが重要。このスペース。ボイラー・油タンク・発電機が置かれる。テントはなくても良い。またボイラーには屋内設置のFF型もある。

太くはない。行き戻りをテープで一束に これがボイラーとヘッダーをつなぐ、私の寝方は床直寝袋で足元近くにパイプ。これで暖を取ったが輻射熱を感じて少々熱かった。確かに今回この体育館は気密が良く冷めなかった。しかし避難生活は長く確実に体育館内の気温は下がる。

ヘッダーは分配器の意味。ヘッダーはこのように。ヒートパイプ4本をつないだが1本不要のため後ろに置く。テーブルは夜中暗いときつまづかないための予防。これは参加者からのアドバイス。

ヒートパイプは段ボールカバーでつまずきを抑える。養生テープで貼ったが,それでも年寄りは,つまづくと教えられ再度入念にテープを貼る。この参加者からの注意指摘は商品改良につながる。

段ボールベットはこのように設置すると効率が高い。千鳥置き 互い違いに置くとパイプの無駄がない 重ねしろ30㎝ 中心にヒートパイプを敷く パイプ延長は難しいと思ったがヒートパイプボビンを転がすだけで展開でき苦労はなかった。これは収穫。養生テープ使用量少ない。

大なべ55型。調理量50ℓ。まかないくん30型。調理量28ℓ。
ベットの並び途中に通路を設ける 配管は上がったり下がったりするとエアーだまりの可能性を危惧するが実際はそんなことはなかった。(実験で確認済だが)通路は夜中にトイレに行くのに好都合というか私のような年寄りには必須条件。

寝袋。段ボールベットの上に毛布でも敷けばよいのにと思ったが写真のように直に寝る人もいた。なんでも経験 必要ならば次に改善だ。私は5~6年段ボールベットの愛用者。冬は毛布と一枚の布団だけ。睡眠状態調査:くしゃみは皆無。だが大きな「いびき」。これが次の課題。

ヒートパイプは50ⅿ巻き 余ったヒートパイプはボビンごと置く アイデア‼ これでこたつを作ったらどうか。足元暖房は日中も運転するので皆が集うこたつにすると心の解放になるのでは?

一酸化炭素 CO2 計測 この他に水素も計測なさった。水素は食品加熱剤からの発生。ボイラー・炊き出し器ではCOに気を遣う。今回ボイラーは屋外なので部屋の空気は汚さないし騒音もない。

室温は開始の夜9時35分で18.6℃ 翌朝の6時4分で19.8℃ これは体育館の気密・ストーブ・足元暖房・人の体温による上昇と思われる。足元暖房の設定温度65℃燃料消費量は一晩で約10ℓ フルの5回路使用で一日24時間使用40ℓの記録もあり。

話は前後するが展示会場で 道知事と札幌市長の巡視 出来るだけ短く説明との要望で「知事さんお手をどうぞ」とてあらいくんPetドレッサーで手を洗ってもらった。手前はまかないくん85型炊き出し器で熱交換器が入っている。
