熊本地震の記録 その③

⑤最初の炊き出し前の写真。  私は写真に写っているYMCA阿蘇の彼から多くのことを学んだ。特筆は衛生管理だ。彼は調理士である。包丁・まな板・カマド・テーブル・流し台などすべてをアルコール消毒する。ステンレス蓋なぞはこんなに美しくなるものかと大いに感心した。整理・整頓・清掃・清潔いつも聞きなれているが実行となるとむつかしいが多くの命をつなぐ役割から、ないがしろにできない。  ⑥機材の位置を示すが判りづらいところは持参の営業マンに聞いてほしい。左側から自衛隊の給水車に隣接しているので、そこに水道ポンプ 傍にバルーン型水槽1t ホースを延長して石油給湯ボイラーがある。ボイラーからは水と湯のペアホースが出てシャワールーム(右後方)と流し台(手前右)炊き出し器は、まかないくん85型灯油バーナー付きが2台1台につき最大100ℓ調理量 200㏄と少量配布なら500食まで対応。

熊本地震の記録 その②

③今回の写真は実災害のために写真は必要最小限度にとどめた。写真はボランティアが芋掘りをしているところ。 満載のトラックにさらに途中大分中津のスーパーで豚汁用食材を購入するも被災地熊本県益城町総合体育館に入って被災者1200名。とうてい足りないことが判ってトイレ掃除を終えた被災者と話すと自分の畑に食材があると聞いて学生4名を伴って町中の畑に行く。 ④芋の子 人参 玉ねぎ 葉物これだけの量が新たに加わった。学生が掘った芋を川で洗って被災者が刻んだ。今回学んだこと被災地には食材が畑に行けば有るということ。そういえば東日本大震災時、大槌町の被災地では救いを待つだけでなく自ら物資調達隊を出したということ。何もなければ知恵と行動だ。

熊本地震の記録 その①

熊本地震の記録   下記のものは私、山本が行ったものの記録です。災害は個々には違いがあって一様では有りません。現状合わせえて対処するようにしています。今回はレスキューストックヤードさんに行き先を訪ね、先行している災害ボランティアさんからの情報も聞きながら行動しました。 当初、私一人が行き、その後多くの方々の力によって炊き出ししました。 少しでも皆様方の防災に対しての参考になればと願っています。また皆様方のご意見もお聞きしたいと思います。なほ使用の機材は一部を除き現在も避難所で使用しています。 平成28年8月5日 ヤマヤ物産有限会社 社長 山本修一  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ①前震:平成28年2016年4月14日   午後9時26分M6.5最大震度7    本震:16日午前1時25分最大震度7   最初行くのをためらったのが本音 遠方地、体調不良などにより でも15日には積み込みにかかる。服装から見られるように当地では少々寒い状況  災害時の支援品やデモ商品などはあらかじカゴ車にまとめたり 調理器などは常日頃整備してある。  写真は寒さを考慮して足元暖房装置これで体育館一杯温められる。  ②弊社1.5tトラックいつもの、まかないくん避難所設備システム:奥に足元暖房装置2セット・まかないくん85型2台灯油バーナー付き・ライフラインが使えない状況を想定して水道ポンプ・石油給湯ボイラー・シャワールーム・流し台・発電機・調理機材・発泡食器・米100㎏・梅干し1樽を積み込む。 ルートは大阪南港よりフェリーに乗るために出発は16日昼とした。高岡市当社→大阪南港→フェリー→別府→熊本被災地

熊本地震炊き出し支援報告 

熊本地震の際の 炊き出し支援報告をさせていただきます。 現在も「まかなくん」は熊本で活躍中です。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 熊本地震炊き出し支援報告!   発  災(前震)4月14日午後9時26分 M6.5 最大震度7    (本震)4月16日午前1時25分 M7.3 最大震度7     高岡西部中学校第15回卒業学年同窓会有志災害募金を使った支援(西中支援) :食材支援の他 ヤマヤ 山本修一(同上卒業生 68歳)による炊き出しを支援   今回もフレッシュ佐武さん(高岡市)には多くの支援物資を頂いた。   行き先 熊本県益城町総合体育館  避難者1200名    16日13時出発⇒ 大阪南港からサンフラワー乗船⇒別府港⇒ 九州自動車道⇒ 益城町総合体育館着17日午後18時45分(約30時間の行程 内船上12時間)    4月29日帰宅 都合14日間 テント泊   持 参 品:1.5tトラック  足元暖房装置=2式  炊き出し器(灯油焚き 満水120ℓ 調理量100ℓ 最大500食)=2式 調理用具・水道ポンプ・灯油給湯ボイラー・流し台・シャワールーム・ホース・ペアパイプ・発泡食器類=各1式   食材:高岡から 米100㎏ 梅干し1樽 途中大分中津で豚汁用食材購入(車に積めるだけ)他 寝袋・テントなど   町の状況 益城町が最も被害がひどいのではと思われた。人々の話では本震で倒壊した家が多く、犠牲者が出た。一部の新耐震基準の住宅以外はほとんど破壊 家の形状を認めるもそれは2階で1階は壊滅状態 私の知るボランティア拠点の隣家では親子2名死亡。  避難所の益城町総合体育館は避難者1200名給水棟が傾き 土地は建物に比して30㎝下がっている 建屋前広場 アスファルトが大きく波打っている。 体育館の中は天井崩落 入れる状態ではないので通路・柔剣道場などに避難寝泊り。高齢化顕著 人々は毛布にくるまって休む 布団は持参のもの一部 着の身着のまま体育館に来た模様 家の片づけなど家から離れることはできない。身寄りが近くにいない。など多くの事情が避難所生活を送る結果となる。半数は屋外車中泊。後に登山家野口さんがテントをグランドに支給 食事は 食事は被災者を元気づける 自衛隊がおにぎりやご飯など支給、副食は炊き出しで 分業化 当初、焚き出し器まかないくん85型=2台 その後神奈川相日防災が同型=1台 最大1500食 活 動:西中支援が行った炊き出し 豚汁200ℓ 1200人として 166㏄/一人当たり 紙コップに8分目 配食時間は1時間10分 今回材料に不足が予想され 被災者の好意により畑へ里芋・人参・玉ねぎ・ネギなど堀りに行く 高校男子4名同行 川で洗って調理場で皮むき 具材が増量された。食材なくとも畑に行けば入手できることを確認。 なぜ早く炊き出しに行くのか:「発災後3日間は何も食べるものがなく辛かった。来るなら早く来てくれ」と阪神大震災時に平野中学校教頭さんから厳しく叱られた経験より。今回も避難所運営者からの声として「もしこのカマドがなかったら大変な事になっていた。」 ヤマヤの持ち込み品はシステム化されていて 自己完結型 水源は近くの水道井戸水 持参のまかないくん避難所設備システム:水道ポンプにより送り出され⇒灯油給湯ボイラー⇒流し台⇒炊き出し器まかないくん85型(灯油焚き 満水120ℓ)=2式、又はシャワールームに行く    衛生を第一としている 足元暖房装置=2式は南阿蘇での使用を打診するも使用されなかった。機材は避難所が閉じるまでおおよそ2ヵ月貸出予定  シャワールームは自衛隊のお風呂に入れない介護を必要とする人々に使用されている。脱衣場は被災者の若者数名が建てる。 入浴は発災後1週間目 15名/日が入浴 車いすで来て介護ボランティア数名が入浴介助 山本の意見:炊き出しは被災者自らが作ることが望ましい。避難所生活あっても日頃の生活のリズムを。提供する側と受ける側をできるだけ同じに。日頃家事を行うように調理やトイレ掃除など自ら行うことが理想。また生活不活発病対策としても有効。 避難所で注意すること:  ノロウイルス 能登半島地震の時 門前西小学校避難所で避難者200名中 20名が発病。空気伝染があるため避難所を閉じることがある。原因は牡蠣の差し入れとの見方。今回も差し入れが怖い。 同じものを食べても被災者は体力が落ちていて発病しやすい。 エコノミークラス症候群 プライバシー保全などで若い人に多いが、車での寝泊り。私の知るおばあちゃんはトイレの近くということで軽四ジープに息子さんと とにかく狭い 椅子に座った状態で寝る。後に当方のテントを貸す。静脈血栓は死亡の可能性大 中越地震の時は地震による直接的犠牲者を上回ったと聞く。 …

避難所での気付き(足元暖房

常総市での使用から  避難所の暖房の技術的なことと気の付いたことをまとめてみました。 1、 エネルギー消費量からみると下記のような順番となるだろう。 湯たんぽ<足元暖房<コタツ<床暖房<局所暖房ストーブ<全体暖房ストーブ  2、次にそれぞれの特徴として私見をまとめると以下のようになる。 ◆湯たんぽ→湯を沸かすことが困難    →避難所300名として 4ℓ*300=1200ℓ     これだけの量を沸かすのに相当数のカマドと人工手間・水・燃料が必要 ⇒現実的に困難 湯たんぽ特性として最初熱く温度が降下する 24時間連続使用は無理   ◆コタツ→電気容量/配線などが困難    →コタツの発熱量は600w*75台=45,000w(450A)    ⇒現実的に困難 強力な発電機必要 電気配線工事必要    ◆床暖房→あらかじめ床下に暖房工事が必要    ⇒困難 災害時のみの使用のために   ◆局所暖房ストーブ→ 一般的に石油ストーブ反射型(3,000kcal)又は対流型     ⇒大量設置のために火気管理が大変。    (阪神大震災時にカセットコンロが使用禁止された例あり)   ◆全体暖房ストーブ→ A:大型の石油ストーブ(15,000kcal)熱は周辺の他、上部に行く。  温風式もあるが床面に休む避難者には暖房効果は薄い。   ⇒強火力に暖房せざるを得ないので排気量が大きく部屋の空気が汚れる。               :温風暖房機(15,000kcal~35,000kcal)部屋が乾燥する。    ⇒乾燥は風邪を引き起こし易い。送風音がする     ⇒A、B共、燃料消費量が大きい。管理上夜間運転を止めることがある。   ◆足元暖房 → 部屋全体を暖めない       湯たんぽ効果がある       大量の人々(体育館全体300~400名)の足元を直接温めることができる                 熱源は屋外のために部屋の空気を汚さない                24時間運転が可能 燃料消費量(30ℓ/日)が少ない。                 全体暖房ストーブとの併用がある。                 その他の利用の仕方:                テーブルの下にパイプを重ねて敷きこんで上に               毛布・布団をかぶせればコタツとしての利用も可能。 ⇒パイプを敷きこむので被災者の移動などの協力が必要   3、私の意見:   常総市の避難所は過去の避難所と違うところがいくつかあった。 ・プライバシー保護のために仕切り壁あり・段ボールベット使用されていた。・毛布の他に布団が用意されている。(いずれも発災当初はなかったが)   対応策:① 仕切り壁    放熱パイプは壁下床上に転がすように設置する。    パイプの高さは10㎜であるので障害とならない。     また適度な硬さもあるので多少の重量でもパイプは潰れることはなかった。  ② 段ボールベット     パイプは多少の柔軟性があって床上から      ベッド敷ふとん上までは約100R程度の曲げを重ねてゆけば設置可能       固定は養生テープによって要所要所貼留めることができた。 ③ 毛布の他に布団     避難所というと毛布というイメージが強かったが布団の多用も良いことだ。    人はそれぞれ体感温度も違って暖かさを必要とする人もいる。    ちなみに放熱パイプは足先付近に置くために暖かさは位置によって調節できる。    …

常総市の避難所で使用された足元暖房

常総市の避難所で使用された足元暖房

9月10日に水害のあった 茨城県常総市の避難所で使用された 足元暖房について、代表の山本がまとめました。   ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 常総市で足元暖房を使用される!   10月の危機管理産業展で当社は避難所設備システムの内特に避難所の暖房として足元暖房を展示し世に問うた。   その背景は阪神大震災時に500名の方々が避難所で亡くなり、又東日本大震災でも同じ500名の方々が避難所生活の厳しさから亡くなられたという事実があり、また法律的にも「防災と減災に資する国土強靭化法」ができ避難所の在り方が見直されたからである。   一般的に危機管理では1件の重大事故には300件のヒヤリハットが定説なので、500名の方々が亡くなられるとその300倍つまり15,000名の方々が非常に厳しい避難所生活を送られたのではないかと想像した。   今回当方の足元暖房を知る災害ボランティアの方からの10月22日要請で9月10日に水害があった茨城県常総市の避難所に足元暖房を設置するようにと声が掛かった。   常総市への支援はすでに最初発災2日後(9月12日)に富山市のボランティア(アジア子供の夢 川渕映子)と炊き出しに行った。   といっても当時全体の規模が認識されず簡単な焚き出しとコーヒー接待それに災害ボランティアから指示があった衣類(段ボール30個)を石下総合体育館に届けた。   その時は十分に暖かい時期であって暖房は必要としなかったのだが月日は進み、10月20日避難所も長期対応せざるを得なくなって当社に暖房の話が舞い込んだ。   行ったのは「あすなろの里」   大まかに言うと避難所は全市で大きなのは2箇所有り、石下総合体育館と「あすなろの里」である。   設置したのは30M *20M 程の体育館。 此処に40~50名程の被災者がいる。 床上ではなく段ボールベッドでの宿泊、家族単位で仕切り壁があるので足元暖房の頭を並べてずらり何百人という従来の設置の様には行かない。   ベット/床と高低差があり、放熱パイプの柔軟性などが要求された。またパイプ内のエアー溜まりなども心配したが両方ともクリアーした。   市側の評価では被災者に好評であって効果は認められたとのことであった。私自身は設置時に「わーいい」と身障者の女性から声を直接頂いた。   しかし設置当時には300名居た避難者も11月半ばには200名ほどになって12月初めには行政もアパートなどに分散居住を促すことになり避難所は閉鎖され機材の撤収は12月7日に災害ボランティアにお手伝い頂いた。

危機管理産業展にあたり

危機管理産業展にあたり

明日から 東京ビックサイトで 危機管理産業展2015年が開催されます。   当日 展示会場でも配布される 資料の一部を紹介させてください ///////////////////////////////////////////////////////////// 危機管理産業展2015開催にあたりヤマヤからの提案 「震災関連死」 足元暖房で助けることが! 「なぜ避難生活で人が亡くなってしまうのか」 阪神淡路大震災の直後から災害の直接的な被害で亡くなる人の他に、 避難所からの入院を経て亡くなる人の多さ気付いた医師の指摘により 「震災関連死」が定義されました。   その多くは寒さや栄養、衛生状態など避難所の環境によって主に高齢者が体力を奪われ肺炎や感染症を悪化させたことによるものでした。※1   我々防災機器を開発する者の責務として、 避難所設備のシステム化はいうに及ばず  低体温症対策 避難所風邪対策が急務とされ平成10年より対策品として足元暖房を開発、 また当初、避難所お年寄りの失禁対策としてシャワールームを開発し 後に浴槽を取り付けることで低体温症対策としました。 避難所設備のシステム化。 「炊き出し器は単品では機能できない」 自己完結のためには周辺機器が必要とされ  熱交換器・水道ポンプ・シャワールーム・防災キッチン・足元暖房などを開発しました。 足元暖房は避難所にいる被災者全員多くの人々の風邪対策に開発しました。 災害時使用は 中越地震 小千谷小学校 そして能登半島地震  門前西小学校(200名)。 また訓練では日赤愛知県支部の冬場の一泊訓練使用は10年以上です。  シャワールームは失禁対策の他、 低体温症対策(浴槽付)に効果があります 東日本大震災では名取第一中学校で半年使用、 浴槽付は日赤支部の訓練に使用されました。   患者を暖めるには、 体温のある健常者が患者に抱き付いて暖める方法が良いとされ (エルトゥールル号遭難事件)体温回復に使用されます。私共は災害時の被災者の苦痛を思う時、 この開発した設備が広く避難所でご配備され、 災害時にお役に立てばと願っています。      災害を生き残った命が避難生活で失われずに済むために。またその何十倍もの人々が過酷な状況に耐え、ストレスとトラブルの中で生活しなくても済むために。※2                             平成27年10月14日  ヤマヤ物産有限会社山本修一   ※1・2文中の出典:「避難所」から「災害支援拠点」へ   日本財団 次の災害に備える企画実行委員会編  

危機管理産業展2015に出展します

危機管理産業展2015に出展します

ヤマヤ物産です。 10月14日(水)-16(金)に 東京ビックサイトで開催される 危機管理産業展2015に 出展します。   今回、出展にあたっての思いをまとめました。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   防災・減災にお取り組みの皆様へ          山本修一   当地では越中八尾おわら「風の盆」が開催されました。 立春から二百十日の厄日、台風の確率が高い、風の強い日でのお祭りです。 くしくも9月1日は関東大震災の日、 古来、お祭りは災害と深い関わりがあるようです。   弊社は来る10月14日~16日  東京ビックサイトにおきまして 危機管理産業展2015に2小間のスペースで出展します。 今回のテーマとして「人々に優しい避難所」そして「低体温症対策」です。展示品では「足元暖房」「シャワールーム(浴槽付き)」などを展示します。 東日本大震災では「低体温症」で亡くなる人が多く、 過去の災害を見ても寒い避難所の生活によって体調を崩す 「避難所風邪」を起因とする、 いわゆる「震災関連死」が多く発生しています。 「足元暖房」は一度にたくさんの人々の足元をやさしく暖めます。 「シャワールーム(浴槽付き)」は体温を上げることに役立ちます。 その他炊き出しカマド「まかないくん」を中心とした 「まかないくん避難所設備システム」を展開します。 ご多用中ですが、責任ある皆様方に、 これからの近いうちに来ると予想される 地震・津波など大災害対策に、 また被災者に優しい避難所のあり方をお考え頂くためにも 是非ご覧いただきますようお待ち申し上げます。     

今年も参加!KOCHI防災危機管理展2015!

今年も参加!KOCHI防災危機管理展2015!

昨日は甲信越、今日は四国。 どうも、まかないくんです。   今回は、これで3年連続参加になるKOCHI防災危機管理展に参加させていただきました。 二日間で述べ約6400名の来場者を誇る高知県を代表する展示会に今年も参加させていただきました。 そして同時に今年もやらせてもらいました! 「リアル炊き出し体験」 毎回コンセプトを変えながら実施しておりますが、今年も盛況でした。   外側が2重構造になっているので、子供さんにも手伝ってもらえるほど安全になっています。 せっかくの夏、こういう炊き出し訓練を行ってみてはいかがですか?          

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